「自動車のタイヤを更新したいけど、費用が心配なんだよなぁ…」
「車の運転は楽しいけど、自分でタイヤ交換なんて絶対ムリ!」
「年をとったら自分でタイヤ交換をするのが億劫になってきたなぁ…」
そんな悩みを解決してくれるかもしれないのが、最近話題の「タイヤサブスク」です。初期費用を抑えられ、定期的なメンテナンスも込み!なんて聞くと、すごく魅力的に感じますよね。
雪国に暮らし、自家用車のヘビーユーザーである私自身も、タイヤがサブスクリプションで利用できると聞いて大いに興味を引かれましたが、検索してみると
「結局、分割払いと変わらないんじゃないの?」
という印象を抱きました。さらに、第一印象としてはサービス対価も高いように感じられました。
そこで、先に投稿した記事では「タイヤサブスク」と「クレジット分割払い」との費用比較を行ってみたわけですが、一般ユーザー向けのタイヤサブスクサービスとしては国内唯一と思われた「Mobox」に類似のサービスが存在することが判明しました。それが「宇佐美タイヤ定額サービス」です。
ドライバーにはガソリンスタンドの運営でお馴染みの宇佐美鉱油ですが、タイヤを2年ないし3年の設定で月々の定額払いで購入できるサービスを提供しているのです。タイヤの組み換え(ホイールへの取り付け)や交換(夏冬用の履き替え)や、パンク補償もセットになっていますし、オプションで保管に対応する点も Mobox と同じです。「サブスクリプション」を謳ってはいませんが、Mobox のサービスと似通っています。
そこでこの記事では、それらのサービスの評判と、それぞれのメリット・デメリットについて詳しく見ていきたいと思います。
そもそもタイヤサブスクとは?
タイヤサブスクリプションサービス(タイヤサブスク)とは、月々定額料金を支払うことで、タイヤの利用、定期的な交換、メンテナンスなどが受けられるサービスです。
メリット
- 初期費用を抑えられる: 高価なタイヤを一度に購入する必要がないため、まとまった出費を避けられます。
- メンテナンスの手間が省ける: 定期的な点検や交換をプロに任せられるため、手間がかかりません。
- パンク保証が付いている場合がある: 予期せぬパンク時にも、無償で修理や交換を受けられる場合があります。
- 常に最適な状態のタイヤを利用できる: 摩耗や劣化したタイヤを使い続けるリスクを減らせます。
デメリット
- 総支払額は購入より高くなる場合がある: 長く利用する場合、タイヤを新品で購入し、自分でメンテナンスするよりも、総支払額が高くなる可能性があります。
- 中途解約時に違約金が発生する場合がある: 契約期間中に解約すると、違約金を支払わなければならない場合があります。
- 自分の好きなタイヤを選べない場合がある: サービス提供者が指定するタイヤの中から選ぶ必要がある場合があります。
事業者向けには他のサービスも存在しますが、一般ユーザー向けの主要なタイヤサブスクサービスとしては「Mobox」(ブリヂストン)、類似するサービスとしては「宇佐美タイヤ定額サービス」があります。
タイヤサブスクと分割払いの違い
「タイヤを分割で買うのと、サブスクで利用するの、何が違うの?」
そんな疑問を持つのは、当然のことです。
実は、「サブスクリプションサービス」の本質については、専門家の間でも様々な議論があります。
日本経営学会誌に掲載された論文「サブスクリプションサービスの真正性に関する一考察」では、”真正な”サブスクリプションサービスを、
顧客との長期的な関係を通じて継続的に価値を提供する
ものと定義し、以下の4つの構成要素を挙げています。
- 相互の関係性: 企業と顧客の間に双方向のコミュニケーションや関係構築があること。
- 継続的な利用: 顧客がサービスを継続的に利用し続けること。
- 価値の共創: 企業と顧客が共に価値を創造していくこと。
- 価値の提供: 顧客にとって価値のあるサービスが提供され続けること。
さらに、同論文では、サブスクリプションモデルの進化を、以下のように分類しています。
- サブスク1.0: 商品の利用権を提供するモデル(例:定期購入、会費制)。
- サブスク2.0: 顧客の課題解決や成功体験(カスタマーサクセス)を重視するモデル。
現在の日本のタイヤサブスクの多くは、「サブスク1.0」に分類されると考えられます。タイヤの利用権を提供し、定期的な交換やメンテナンスを行う、という基本的なサービスが中心です。
一方、ユーザーが「サブスクリプションサービス」に期待するのは、「サブスク2.0」の要素、つまり、
- 自分の状況に適うタイヤの提案
- 走行状況に応じたきめ細やかなメンテナンス
- トラブル時の迅速なサポート
- 継続的なサービスの改善
- 必要な時に必要な分量を利用できる
といった、よりパーソナルで、顧客の課題解決に寄り添ったサービスです。
この「サブスク1.0」と「サブスク2.0」のギャップが、「タイヤサブスクは分割払いと変わらない」「サービスが画一的」といった不満につながっていると考えられます。
また、Mobox の場合は中途解約すると違約金として残りの期間の利用料金の全額を請求されますし、宇佐美の場合は一旦契約すると中途は解約できない仕組みのようです。
思うに、タイヤ業界では中古タイヤの市場も確立しているので、サービス提供者は返却されたタイヤの摩耗の具合を評価して再商品化し、利用者はその分減免された残額を支払うといった工夫も考えられるはずです。
あるいは、上記のような中古タイヤを選択するプランも設けて、期間縛りを設けず、タイヤが摩耗したらさらに中古タイヤで更新していくような形態が実現できれば、まさにユーザーが求めるタイヤサブスクリプションサービスになるのではないでしょうか。
Moboxと宇佐美タイヤ定額サービスの比較
ここでは代表的なタイヤサブスクサービスである「Mobox」と、類似するサービスである「宇佐美タイヤ定額サービス」を比較してみましょう。
| 項目 | Mobox | 宇佐美タイヤ定額サービス |
|---|---|---|
| サービス名称 | タイヤサブスクリプション | タイヤ定額サービス |
| 料金プラン | 複数のプランあり(タイヤの種類、サイズ、交換頻度などによる) | 複数のプランあり(タイヤの種類、サイズなどによる) |
| タイヤの種類 | ブリヂストン製の幅広いラインナップから選択可能 | 幅広いメーカーのタイヤから選択可能(店舗による) |
| サービス内容 | タイヤレンタル、脱着・組み換え・バランス調整、窒素ガス充填、パンク補償、ローテーション、センターフィット取付 | タイヤレンタル、脱着・組み換え・バランス調整、パンク保証(店舗による) |
| 契約期間・解約条件 | 2年または3年契約、中途解約時は残期間分の料金全額支払い | 2年または3年契約(プランによる)、中途解約時の扱いは要確認(店舗による) |
| メリット | ブリヂストン製の高品質なタイヤを選べる、交換頻度が高いプランがある、パンク補償が充実している | 初期費用を抑えられる、月々の支払いが一定、店舗数が多い |
| デメリット | 中途解約時の違約金が高い、希望のタイヤがラインナップにない場合がある | サービス内容が店舗によって異なる場合がある |
| サブスクリプションらしさ | △(一部「サブスク2.0」的要素もあるが、基本的には「サブスク1.0」) | ×(「定額払い」であり、サブスクリプションではない) |
Moboxの評判
- 良い口コミ:
- 「定期的に点検してもらえるので安心」
- 「パンクした時、すぐに対応してもらえて助かった」
- 悪い口コミ:
- 「解約する時、残りの期間の料金を全部払わないといけないのが納得いかない」
- 「もっと安いプランがあればいいのに」
- 「希望のタイヤがラインナップにない場合がある」
宇佐美タイヤ定額サービスの評判
- 良い口コミ:
- 「月々の支払いが安いので助かる」
- 「近くの宇佐美で交換できるのが便利」
- 「パンク保証が付いているので安心」
- 悪い口コミ:
- 「タイヤの種類が少ない」
- 「サービス内容が店舗によって違う」
- 「解約について詳しく説明してくれなかった」
Moboxは、ブリヂストン製の高品質なタイヤを選べる点や、パンク補償が充実している点が評価されています。一方、中途解約時の違約金の高さや、タイヤの選択肢が限られる点に不満の声があります。
宇佐美タイヤ定額サービスは、初期費用が抑えられる点や、店舗数の多さがメリットとして挙げられています。一方、タイヤの種類やサービス内容が店舗によって異なる点、解約に関する説明が不十分な点が課題として指摘されています。
結局、タイヤサブスクは「あり」?「なし」?
タイヤサブスクが自分に合っているかどうかは、あなたのカーライフや価値観によって異なります。
- 初期費用を抑えたい人 → あり: タイヤの購入費用を分割で支払えるため、一度に大きな出費を避けられます。
- 車を頻繁に乗り換える人 → △: 中途解約の条件をよく確認する必要があります。場合によっては、違約金が高額になる可能性があります。
- 車の整備に疎い女性や初心者ドライバー → あり: Moboxのようなサービスは、タイヤの選択からメンテナンスまで、全てお任せできるため、安心です。
- 体力的にタイヤ交換が負担に感じるようになってきた高齢者 → あり: Moboxのようなサービスは、店舗での交換作業を全て任せられるため、負担が軽減されます。
- 自分でメンテナンスしたい人 → なし: タイヤの選択やメンテナンスを自分で行いたい場合は、サブスクではなく、自分でタイヤを購入する方が良いでしょう。
- 特定のブランドのタイヤにこだわりたい人 → 要検討: サービス提供者が指定するタイヤの中から選ぶ必要があるため、希望のタイヤがない場合があります。
- とにかく安く済ませたい人 → 中古タイヤや、通常購入+メンテナンスを検討: 長く利用する場合、タイヤを新品で購入し、自分でメンテナンスする方が、総支払額が安くなる可能性があります。
タイヤサブスクは、「タイヤ購入費+付加サービス代金」と考えると、決して利用者に損失を与えるようなサービスではありません。とくに Mobox のサブスクの場合は、定期的なタイヤ交換や充実した保証が付いているため、これらの付加サービスに依存する方にとっては有益なサービスだと思います。
まとめ
タイヤサブスクは「分割払い」と同じではありません。しかし、つぶさに見ていくと「サブスクリプションサービス」としては未発達な段階にあり、プラン選択のバリエーションや、休会、退会の対応などの部分で、ユーザーが期待するサービスには至っていない印象を受けます。
今後、タイヤサブスクがより魅力的なサービスとなるためには、「新品のタイヤを売る仕組み」としての定額払いのようなサブスクリプションから脱却して、中古タイヤを活用する仕組み作りや、期間縛りの解消、休会対応など、より利用者のニーズを汲み取ったサービス展開が求められるでしょう。

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